小さな焚き火、
美しい焚き火。

私たちTAKIBISMが標榜するのは、人類が焚き続けてきた火。
親父が焚き、爺さんが焚き、そのまた爺さんたちも欠かさず焚いてきた火。
この火は、未来の子どもたちにも引き継がれる火でもある。

わずか50年ほど前まで、私たちの暮らしには、当たり前に火があった。
私の母親がまだ幼かった頃、山で薪を拾い、1日3食の煮炊きと風呂を沸かす火を焚くことは、子どもの仕事だった。
その後のわずかな年月の間に、“便利”という言葉と引き換えに暮らしの中の火を失い、 かつての火のある豊かな暮らしは、“便利で安全な”ツールによって、一変してしまった。

私が焚き火に惹かれるのは、火は変わらない、真実みたいなものだから。
どんな時代にあっても、火は明日の希望であり、ある種の普遍性すら宿している。
そんな火を、次の時代に引き継ぐのが、TAKIBISMの使命。

美しい火は、三角に立ち昇る。
小さな火は、消されずに、引き継がれていく。
小さな火を、美しく焚こう。

Hajime Sangawa, TAKIBISM Director

焚き火の原点“直火”の世界観を、焚き火台で再現。

〈TAKIBISM JIKABI〉の焚き火台が目指したのは、焚き火の原点である“直火”の世界観。ステンレスの堅牢な本体フレームに、ハンドメイドで鍛造した炉皿を組み合わせただけのシンプルな構造。三和工業のつくる精緻なソリッド感と、槙塚鉄工所(槇塚登氏)が魂を込めて打ち出すハンドメイド感が互いを引き立て、美しいプロダクトとして昇華している。丸くわずかにラウンドした炉皿は、地面にスコップで浅い穴を掘った直火の火床の形状そのもの。火に空気を送りこみ、燃えた灰とともに循環させる。炉も焚き火台も丸いため、人々は火を自然に囲む。人々が囲むことで炎の熱は遮蔽され、反射し合って暖となる。それは人類の本能のそのものの行為なのだ。

STONE QUEST ISHINOMAKI

小さな火を、美しく焚く。
“ストーンクエスト”は、
石を足すことで完成する。

焚き火の原点である“直火”の世界観を、ステンレスのフレームとシンプルな炉皿の組み合わせだけで再現したTAKIBISM JIKABI ISHINOMAKI。TAKIBISMディレクター寒川一は、“直火”を囲む石の機能に改めて注目し、新製品のコンセプトとして石をはめる穴を設けたプロダクトを提案する。「火の周りに石を置くことで、風を防ぎ、鍋をかけたり、食べ物や飲み物を温めることができます。石は古来より私たちの味方。自分の目的に合った石を探す=STONE QUEST(ストーン クエスト)です。買うのではなく、探す。正解は、最初からそこにあったのです」(寒川)。このコンセプトを、石巻在住のデザイナー阿部友希が製品としてデザイン。重量のある石を乗せても強度を保ちながら、石と金属の組み合わせを楽しめる《TAKIBISM JIKABI STONE QUEST ISHINOMAKI》として完成させた。

STONE QUEST ISHINOMAKI

TAKIBISM JIKABIのフレームに、石をはめ込む7つのホールを設けた「STONE QUEST」バージョン。風防として、ウォーマーとして、用途と目的に合った好みの石を、自由にはめて使うことができる。フレーム直径47.5㎝、石巻市の三和工業で加工されたステンレス製(ステンレス製の炉皿の直径はJIKABIシリーズ最大の33㎝)。焚き火台の脚が折りたたみ式のタイプは重量約1.9㎏、39,800円(税込)。同ネジ式のタイプは重量約1.9㎏、34,800円(税込)。別売りに、焚き火台の持ち運び便利で丈夫なキャリーバッグ<鹿の骨>29,800円(税込)がある(全てのJIKABIシリーズに対応)。

※ 焚き火台の熱が土壌などの環境に影響を与えるため、草地や焦げやすい地面のうえでの使用は避け、難燃布などの併用を推奨します。

TWIN ISHINOMAKI

小さな火と、美しい火を、2つ同時に焚ける、
豊かな焚き火のための、TAKIBISM JIKABI2連タイプ。

「焚き火の炎の基本は、雲竜型と不知火型の2つです。雲竜型は、薪を縦に組むため、炎は三角に立ち昇り、美しく感じる火。みんなで暖まれて、集う人々の表情まで照らします。一方の不知火型は、薪を横に寝かして組むため、火は小さくて広く、鍋をかけたり焼き物などの調理に適しています」とはTAKIBISMディレクターの寒川。2連の炉を持つ焚き火台は、二つの火を同時に焚けるだけでなく、使い手の創意工夫を掻き立て、焚き火の豊かさを引き出す。石巻在住のデザイナー阿部友希は、地元の三和工業の協力を得て、寒川が提案する2連式のTAKIBISM JIKABI TWINの製品化を実現。洗練された美しい曲線を持ちつつ、使い勝手にも優れたフレームを生み出した。

TWIN
ISHINOMAKI

TAKIBISM JIKABI ISHINOMAKIの2つの炉皿(ステンレス製の中27㎝、大の直径はJIKABIシリーズ最大の33㎝)を、1台に併せ持つ「TWIN」(2連式)バージョン。TAKIBISMが提唱する「小さい火」と「美しい火」、2種類の炎を同時に楽しめるなど、自由で豊かな使い方が可能。中央部分にヒンジを採用し、折りたためる。石巻の三和工業で加工されたステンレス製で、サイズは87.5㎝✕47.5㎝(折りたたみ時47.5㎝✕47.5㎝)、重量は3.5㎏。69,800円(税込)。 別売りに、焚き火台の持ち運びに役立つ丈夫なキャリーバッグ<鹿の骨>29,800円(税込み。全てのJIKABIシリーズに対応)。

※ 焚き火台の熱が土壌などの環境に影響を与えるため、草地や焦げやすい地面のうえでの使用は避け、難燃布などの併用を推奨します。
※ 焚き火台の移動時は、やけどに注意の上、破損を防ぐため 2 つの炉の中間のヒンジ部分を支えてください。

洗練されたデザインの五徳も新登場。

GOTOKU EXPAND ISHINOMAKI

火との距離を
調整できる伸縮式で、
全てのJIKABIシリーズに対応。

大振りの鍋なども置けて調理に役立つ五徳は、火との距離を調整できる伸縮式。今回紹介した2つの〈TAKIBISM JIKABI〉の焚き火台とともに、石巻在住のデザイナー阿部友希がデザインし、石巻市の三和工業株式会社が製品化した。全ての〈TAKIBISM JIKABI〉シリーズに対応の《TAKIBISM GOTOKU EXPAND ISHINOMAKI》。耐荷重10㎏、ステンレス製、17,800円(税込)。

薪の組み方(雲竜型)

三角に昇る美しい火は、
薪を縦に組む。

「美しい火は、まさに“火”の文字のように三角に昇ります。縄文時代の竪穴式住居の炉で熾すと、美しい火が焚けます」と寒川。美しい火を焚くためには、薪を縦に組む。

薪の組み方(不知火型)

煮炊きに使う小さな火は、
薪を横に。

「炉を増やせば、(手間はかかるが)暮らしは豊かになります」(寒川)。料理に役立つ小さな火は、薪を横に組む。火力の調整は、火の高さと薪の拡がりで。火持ちもよい。

※ 焚き火台の熱が土壌などの環境に影響を与えるため、難燃布などの併用を推奨。

TAKIBISMディレクター 寒川 一 Sangawa Hajime

1963年香川県生まれ。TAKIBISMディレクター、アウトドアライフアドバイザー。鎌倉を拠点に、アウトドアと焚き火の本質を追い求める求道者として、地域防災とアウトドアを絡めた提案を行うなど、幅広く活動。鉄作家でもある槙塚鉄工所の槇塚登がハンドメイドで鍛造する炉皿をはじめとしたTAKIBISMブランドを展開している。

デザイナー 阿部 友希 Abe Tomoki

1998年宮城県生まれ、石巻市在住。富永明日香建築設計事務所に所属。2つの新たなコンセプトのTAKIBISM JIKABI ISHINOMAKI焚き火台と五徳のデザインを担当、石巻市の三和工業とともに製品化した。かつては千石船で江戸と直接交流があった石巻。その石巻のモノ作りに対するアグレッシブな姿勢とTAKIBISMとの時を超えたコラボが実現した。